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「日本もLGBT大国に」、米国ツアーで刺激受け

2014年12月2日 1:31 PM あそぶ--でかける

大学生中心の団体LGBT Youth Japanは今年の9月、ニューヨークへのLGBTスタディツアーを行った。10人の若者が参加し、10日間で14団体を訪問した。現地の団体からは、資金調達の方法や社会への問いかけ方について伺った。ツアーレポートを、同団体広報の上田純佳さん(早稲田大学国際教養学部4年)に寄稿してもらった。

◆LGBT(性的少数者)とは
L=レズビアンG=ゲイB=バイセクシュアル(両性愛者)T=トランスジェンダー(性別違和)など、性的少数者(セクシュアルマイノリティ)の総称。どの国や文化であっても人口の数パーセント、日本では約5.2%、約20人に1人が該当すると言われています(電通総研調べ)。

◆LGBTスタディーツアーin NYとは
LGBT団体が300以上あるニューヨークで、日本の若者がLGBT支援団体・大学・企業を訪問し、社会変革のアイデアを学ぶツアーです。私たち大学生中心の団体LGBT Youth Japanが2013年に始め、今年は10人の若者が10日間で14団体を訪問しました。現地のスタッフから資金集めなど団体運営の方法を聞いたり、社会を動かしていくためにはどうしたらいいのかを学び、日本のLGBTの未来を考える人材を育てることを目指しています。

LGBTツアーの参加者たち、写真左端が上田さん

LGBTツアーの参加者たち

◆印象に残ったこと:LGBT支援には様々なかたちがある!

LGBT・社会問題・マイノリティというと、ボランティア団体や国際連合だけが取り組むもの、というイメージがあるかもしれません。しかし、このスタディーツアーではNPO(非営利団体)、大学、企業、病院、LGBTの家族のお家、LGBTの老人ホーム、LGBTの子を持つ親の会など、様々な訪問先を周りました。

それはなぜかというと、例えば学校でのいじめ、就職差別、親へのカミングアウト、医療現場での差別など、LGBTを取り巻く差別や生きづらさは社会の様々な場面に存在しており、その解決方法も様々だからです。

LGBTの若者の自殺防止に取り組む「The Trevor Project」を訪問した時の様子

LGBTの若者の自殺防止に取り組む「The Trevor Project」を訪問した時の様子

ツアーを通して、LGBTが生きやすい社会を実現するには色々なアプローチがあるんだ、と学ぶことは、「自分のいる場所で、自分にできることもきっとある。」という発見につながり、「自分には○○ができるかもしれない、やってみよう」という意気込みに変わっていきます。

例えば今年のツアー参加者の一人は、もともと大学で医療・福祉を学んでおり、ツアーをきっかけに、医療とLGBTについて考える学生団体を立ち上げました。こんな風に自分の興味分野やコミュニティから自分なりにアクションを起こしていく人材が増えることが大事な一歩だと思っています。

■ツアーは希望を持つための原体験

ツアーのいいところは、LGBTがいきいきと生きている様子を自分の目で見たり、そのような社会の実現に尽力している人と直接お話しするうちに、「日本でもこんな社会を実現できるかもしれない」と強く信じることができるところです。

NYのLGBT団体の中心的存在である「The Center」でスタッフの方のお話を聞いている様子

NYのLGBT団体の中心的存在である「The Center」でスタッフの方のお話を聞いている様子

例えば、ニューヨークでは街中で何気なく手を繋いで歩くゲイカップルも見かけますが、それを初めて見た時の衝撃だって原体験の一つです。

また、今年のツアーで、娘さんがいるレズビアンカップルのお家を訪問した時、娘さんは「小さい頃友達に、なぜお母さんが2人いるのかきかれたの、変じゃないかって。だから私はずっとお母さんが2人ほしかったの!!って答えたわ。覚えてないんだけど(笑)」と二人のお母さんの間に座りながら話してくれました。その帰り道にツアー参加者の一人が「LGBTは家族を作れないとずっと思っていた、でも3人を見て、作れるんだと思えた」と言っていました。

レズビアンカップルのお宅を訪問した時の様子。親(左下のふたり)と娘さん(中央)

レズビアンカップルのお宅を訪問した時の様子。親(左下のふたり)と娘さん(中央)

支援の制度を学ぶだけでなく、LGBTも生きやすい世の中は作れるんだ、という希望を持つような原体験をすることもこのツアーの目的です。実現したいビジョンが頭の中に映像としてあるということが、社会問題解決に動き出す原動力になり、困難があった時には支えにもなっていくと思います。

■ツアー参加者の変化

これはツアーで一番印象に残りました。ツアーの最終日に、ツアー参加者が今後ツアーを活かしてどんなことをしたいか、どんな未来をつくりたいかを発表しました。これを私たちは「夢プロジェクト」と呼んでいます。

新しくサークルを立ち上げたいという人、自分の大学で初めてのLGBTパレードをやりたいという人、LGBTだけでなく他のマイノリティの問題も共に考える場を創りたいという人など、それぞれのバックグラウンドによって様々な意見が出て、しまいには全員でやりたい合同夢プロジェクトまでできあがりました。

ミーティングの様子。学んだ事、考えた事をシェアしたり議論したりします

ミーティングの様子。学んだ事、考えた事をシェアしたり議論したりします

「夢プロジェクト」発表の時の写真

「夢プロジェクト」発表の時の写真

ツアー前にはなかったアイディアが生まれたり、ツアー前には「何かしたい」というぼんやりとした想いだったのが「自分にはこんなこともできるかもしれない」という自信を持って言える具体的なプランになっていたりと、ツアーを経て参加者の中で起きた前向きな変化を感じた瞬間でした。

LGBTを取り巻く環境を変えるといっても、思い立って行動を起こす人がいなければ始まりません。このツアーでLGBTに関心がある若者の中から問題を解決する人を生み出して、その人たちが周りに影響を与えていくことができたら10年後、20年後の日本は変わるのではないか。そしてLGBT当事者だけでなく、非当事者(異性愛者)の中からも、LGBTの問題を自分ごととして捉える「アライ」(=味方。LGBT当事者ではない人で、LGBTを正しく理解しサポートする人。)がもっと増えていくのではないか、と思っています。

・LGBT Youth Japan
Hp:http://lgbtyouthjapan.jimdo.com/
Facebook: LGBT Youth Japan
Twitter: LGBT Youth Japan
*来年の海外ツアー実施は未定ですが、国内では引き続きLGBTや社会問題に関心のある若者に学びや発信の機会を提供し、「日本のLGBTを取り巻く社会を変える一端を担う若者の輩出」を目指して活動していきます。


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