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7/22 NYSE東京公演――米国NYで活躍する高原守が指揮

2015年6月15日 2:33 PM あそぶ--でかける

伊藤忠商事は7月22日、サントリーホール(東京・港)で「第1回伊藤忠サマーコンサート ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル東京公演」を行う。ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル(以下NYSE・ナイス)は、若手育成に熱心な楽団で、音楽監督・指揮は高原守さんが務める。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

生徒たちには、「音楽を楽しむこと」の大切さを伝えた高原さん

青山高校オーケストラ部の生徒たちには、「音楽を楽しむこと」の大切さを伝えた高原さん

伊藤忠商事は1992年から、メセナ活動(企業の資金で文化・芸術活動を支援すること)の一環として、NYSEを東京本社ロビーに招き、ロビーコンサートを行ってきた。同社は、23回続けてきたこの活動を、より多くの人が文化に親しむ機会にするため、今年初めてサントリーホールでの開催を決めた。

NYSEには、ニューヨークを中心に第一線で活躍している演奏家が所属している。同楽団の特徴は、若手演奏家を積極的に起用することだ。過去には、わずか10歳の少年をNYSEと共演させたこともある。音楽の感性が最も成長する10代のうちに、プロの音楽を体感し、若者たちは急激に成長するという。NYSEからは多くの演奏家が巣立ち、現在ベルリンフィルハーモニーのコンサートマスターとして活躍する樫本大進さんもその一人だ。

今回の演奏会の音楽監督・指揮を務めるのは、高原守さん。高原さんは25才でアメリカに渡り、1979年、32才でNYSEの前身であるニューヨーク・メトロポリタン室内管弦楽団の音楽監督に就任して以来、NYSE全体のプロデュースやマネージメントにも携わり中心的な存在として活躍している。

主催者である伊藤忠商事は、CSR活動の一つとして次世代育成を掲げており、若手育成に積極的なNYSE賛同のもと、今回の演奏会の最終曲では都立青山高校のオーケストラ部も加わる。

2014年に開催されたロビーコンサートの様子、伊藤忠商事本社ロビーで

2014年に開催されたロビーコンサートの様子、伊藤忠商事東京本社ロビーで

本番まで約1カ月前となった6月11日、高原さんが、都立青山高校を訪れ、演奏会に出演する同校のオーケストラ部2年生約40人に対して、練習会を開いた。

同校のオーケストラ部は、全国高等学校総合体育大会開会式で演奏するなどの実績はあるが、高原さんの登場に緊張した面持ち。高原さんは、「楽しんで演奏しよう。自分が楽しまないと、お客さんを楽しませられないよ」と指揮台に上がった。

高原さんは若者を指導することに強い思い入れを持つ。高原さんは、故郷岡山で大学の音楽講師をしていたが、来日していたレナード・バーンスタイン氏に一目ぼれし、1972年に単独で渡米した。バーンスタイン氏の弟子になり、ニューヨークの音楽家に囲まれながら育った。「先輩から教えてもらって成長できた。今は私が後進を育成するとき」と言う。

生徒たちには、各楽器の吹き方や持ち方、並び間隔などを細かく指示した。「まずは、しっかりと音を合わせよう。丁寧に柔らかい音を出して。リズムは後から」と。高原さんは、演奏会において、「丁寧に音を出すこと」にこだわる。

「音はお客さんへのギフト」だからだ。「お友達を呼んで演奏を聴いてもらうのは、発表会。でも、今度君たちが出演するのは、お客さんに聴いてもらう演奏会。プロと同じ舞台に立つので、一生の思い出になるくらい楽しんで。練習すれば絶対に上手くできるから」。

普段は愛嬌のある笑顔を見せる高原さんも指揮を取ると、瞬時に真剣な表情に

普段は愛嬌のある笑顔を見せる高原さんも指揮を取ると、瞬時に真剣な表情に

高原さんは今回の演奏会を通して、生徒たちに「打ち込むことの大切さを伝えたい」と言う。その理由は、バーンスタイン氏から指導された経験にある。バーンスタイン氏からは、「靴底が破れるまで歩け」と厳しく言われた。この言葉の真意は、「目標を決めて、一つのことに打ち込め」ということだ。高原さんはこの教えを守り、音楽に向き合ってきた。「実際、今日履いてきた靴底も破れてるんですよ」と高原さんは愛嬌たっぷりに笑う。

■「音の呼吸を聴いて」

クラシック音楽は根強いファンはいるが、若者離れが進む。高原さんは、その理由として、「偉そうな立場で、偉そうに指揮しているから」と考える。クラシックの高貴さは大切だが、上から目線になることを違うとし、同じ立場で演奏し、日常の中にクラシックを取り入れたいと言う。この考えで、今では全国で行われるようになったお寺でのコンサートを、日本で初めて、1998年7月に奈良の国宝唐招提寺で実施したほか、大田区の大田市場、羽田空港の格納庫などでの演奏会を行ってきた。

高原さんは日常の中に音楽を取り入れたいと話すが、CDや配信サービスとは異なる。「生演奏で奏でる音は、呼吸している。生きた音を聴いてほしい」と言う。「チェロが出す低音、トランペットの高音、これらの音が混ざり合おうとする振動を感じるのが生演奏の良さ。CDや配信サービスで聴く音は圧縮され、人工的なきれいな音だけ」。

7月22日の演奏会では、モーツァルト作曲/交響曲第40番ト短調などを演奏。青山高校オーケストラ部とはヴェルディ/歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲で共演する。

【第1回伊藤忠サマーコンサート ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル東京公演】
開催日時:2015年7月22日(水) 19:00開演(18:30開場)
会場:サントリーホール(東京都港区赤坂1-13-1)
指揮:高原 守
チケット料金:S席4000円、A席3000円
チケット販売サイトURL:https://www.funity.jp/itochusc
お問い合わせ:伊藤忠サマーコンサート事務局:03-5953-9481

ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル東京公演

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