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アディダスが協賛した「再生可能」な個展

2016年12月14日 2:07 PM あそぶ--でかける

「消費者が選択する力が磨かれるほど、社会は良くなっていく」――ドイツ・バイエルンに本社を構えるアディダスで、マーケティングを担当する日本人はそう話す。同社は、東京・高円寺で開催しているある前衛的な個展に協賛している。その個展では、自然エネルギーなどを通して、「生活が前衛」と「全ては再生可能」だと訴える。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

「アディダス発電」のマークとアディダスAGの加瀬さん=高円寺キタコレビルで

「アディダス発電」のマークとアディダスAGの加瀬さん=高円寺キタコレビルで

JR高円寺駅から徒歩5分ほどに位置する、高円寺キタコレビル。この個展の会場だ。平屋建てで、地上2階の地下1階。地下のスペースは、四半世紀以上、廃墟になっていたジャズバーをリノベーションした。

この個展を主宰したのは、美術家の平井有太さん(41)。平井さんは1975年、東京文京区生まれ。青山学院高等部を卒業後、米ニューヨークの名門「スクールオブヴィジュアルアーツ」に入学。実技首席で卒業する。

2001年に帰国し、フリーランスのライターとして活動。これまでに、「世界一貧しい大統領」として知られるホセ・ムヒカ・元ウルグアイ大統領や工学者・小出裕章氏らへインタビューしてきた。

東日本大震災の原発事故後、福島で農地の放射能測定などを行う。原発事故後の福島を、『福島』、『ビオクラシー』(2015、2016/共にSEEDS出版)という2冊の著書にまとめた。

このたびの個展は、Chim↑Pomがキュレ―ションを手掛け、平井氏さんが作品を展示した。

この個展のタイトルは、「ビオクラシー展」。テーマは、「全ては再生可能」。例えば、捨てられたきれいな神棚を飾り、カラフルな色の豆電球の鎖で照らした。この豆電球を照らすバッテリーも捨てられた、廃バッテリーを再利用した。

通常、廃バッテリーは処分するが、再生して使うこともできる

通常、廃バッテリーは処分するが、再生して使うこともできる

ひときわインパクトがあった作品は、蛍光灯の管を、アディダスのロゴマークにしたもの。実際に灯りもつく。アディダスはこの個展の協賛企業で、この個展全体の電力のネーミングライツを取得した。

この個展では、千葉県木更津市に太陽光発電を持つ自然エネ発電事業者のエコロジア(東京・品川)の電力を使う。アディダスはその電力の供給権を買い取ったのだ。

アディダスは世界的なスポーツメーカー。スポーツギアを作るときに、社会性・環境配慮を意識することはメーカーの責任と考える。

ドイツ本社からアディダスジャパンに出向している、加瀬雅敏・グローバルブランドマネジメント トレンドマーケティングシニアマネージャー(40)は、「消費者の意識が高くなると、企業の意識も高くなる」と言う。

同社では、世界初となる自然過程を通じて100パーセント生分解が可能なBiosteelファイバー製の靴を11月に発表しており、海に捨てられたプラスティックから靴を作る取り組みも行っている。

加瀬さんは、「問題提起することが自分の役割」と言う。平井さんによると、電力のネーミングライツは世界初とのこと。作品の出来栄えに、そして、そのコンセプトに、「ここ数年で一番の思い入れがある。これを機に、日本が変わっていくきっかけになってほしい」と加瀬さんは期待する。

筆者も個展に訪れたが、地下1階の展示には言葉を失った。福島で起きた原発事故を、アートとして飾っている。ここでは、詳細は記さないが、各自がその目で見て、感じてほしい。

ビオクラシー展は12月24日まで。入場料は投げ銭制。

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