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日本の毛皮農場がゼロに 背景には「エシカルな消費者」

2016年11月25日 12:02 PM まなぶ--グローバル

NPO法人アニマルライツセンター(東京・渋谷)は11月25日、国内の毛皮農場がすべて閉鎖したと発表した。かつて国内には4000近く毛皮農場があったが、2012年からは新潟県にある「大塚ミンクファーム」だけが運営を続けていた。このほど、同農場が閉鎖したことが確認された。閉鎖に追い込まれた背景には、エシカルな製品を求める消費者の存在があった。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

繁殖用に残されたミンクは、狭い檻の中を周回する常同行動(同じ動作を繰り返す異常行動)も確認されていた

繁殖用に残されたミンクは、狭い檻の中を周回する常同行動(同じ動作を繰り返す異常行動)も確認されていた

「飼育されていたミンクは暑さの中で、息も絶え絶えとなり、荒い息をし、全く動かなくなっていた個体もいた。藻が生え、泥が溜まり、空になった水受けを必死で舐めようとしていた」――。アニマルライツセンターのスタッフは、大塚ミンクファームを視察したときの様子をこう話した。

毛皮農場では、動物たちの毛皮を取るために、残虐な方法で殺処分が行われている。動物たちの毛皮を傷つけないようにするため、ガス殺や肛門からの感電殺などの方法で殺される。さらに、毛皮の生産をするさいに、多量の化学物質を使用するため、高い環境コストや消費者の健康リスクも伴っていた。

大塚ミンクファームは2012年まで、ミンクにとって逃走が容易な構造の飼育施設(3棟)で約2,500頭を飼育する中規模農場だった。2006年、アメリカミンクは外来生物法(特定外来生物による生態系などに係る被害の防止に関する法律)で特定外来生物に指定され、飼育することが原則不可能とされていた。

大塚ミンクファームは無許可飼育を継続していたため、同団体が告発し、2014年2月に書類送検されていた。しかし、大塚ミンクファーム側は「法規制を知らなかったため」という理由で不起訴処分とされ、2015年4月には施設を補修し、飼育を継続していた。

毎年春にミンクを繁殖させ、冬に屠殺し、毛皮を生産・販売する行為を繰り返していた。同団体では大塚ミンクファームと対話を繰り返し、2015年5月の対話では、「動物福祉への配慮が求められる中で、ミンクの飼育継続は以前のように容易ではなくなり、長くは続けられないだろう」と、閉鎖を考えている発言を確認していた。このほど、一般消費者からの問い合わせにより、大塚ミンクファームが閉鎖したことが分かった。

2015年、日本の毛皮消費のために犠牲になった動物数は約167万頭(「財務省輸入統計」に基づくアニマルライツセンターの推計値 毛皮付き衣料や帽子を含む・毛皮付き靴を含まない)。日本の毛皮付き衣料品の輸入量は、2006年をピークに年々減少しており、今年は2006年と比較すると80%減少している。

2015年には、「HUGO BOSS」や「アシックス」、「マッシュホールディングス」が、2016年3月には「ジョルジオ・アルマーニ」が毛皮使用の廃止を宣言した。国内では2014年、「アースミュージックアンドエコロジー」が、それ以前から「ユニクロ」、「無印良品」も毛皮製品を取り扱わないことを確約している。

国内外の著名アパレル企業が、毛皮を販売しないと表明した背景について、同団体の岡田千尋代表は、「ファッションのために、動物の命を犠牲にする毛皮は必要ないというエシカル消費者が増えたことで、毛皮製品への反対世論が形成された」と話す。

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