はたらく

復興支援に挑む大学生の悩んでいた背中をそっと押してくれた一言

2014年12月1日 4:46 PM はたらく--挑戦者たち

「彩果がやりたいことをやればいい」――復興支援活動をする上田彩果さん(立教大学文学部3年)の忘れられない一言。声をかけてくれたのは、上田さんの支援先に住む50代の主婦斎藤さん。斎藤さんは、活動内容と団体のビジョンの整合性について悩んでいた上田さんに、「何がしてほしいとかはないよ。ただ楽しそうに彩果が広田に来てくれたら、それでうれしい」と声をかけ、悩んでいる背中を押した。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

SETのメンバーらと写る上田さん(写真奥、右から2番目)

SETのメンバーらと写る上田さん(写真奥、右から2番目)

上田さんが声をかけられたのは、約1年前の2013年10月。所属するNPO法人SETの次期学生リーダーとして、今後の活動に迷っていた時期だった。上田さんは当時大学2年生で、来年度からは、4年生が引退し、学生部の新リーダーに就任することが決まっていた。

上田さんは「何をすれば広田の人が喜んでくれるのか」「団体のビジョンに合う活動とは何か」など、自分の中で明確な答えを見出せないでいた。

そんなときに悩みを消してくれた一言と出合ったのは、支援先である岩手県陸前高田市広田町に来ていたとき。上田さんは、夏季休暇などを活用して、東京の大学生を広田町に連れてくるスタディツアーを企画するため、地元住民にヒアリングをしていた。

「東京の大学生は何ができるかな?」、と上田さんが尋ねると、「何がしてほしいとかはないよ。楽しそうに彩果が広田に来てくれたら、それでうれしい」とある女性は答えた。その女性は、広田町で女性会長を務める斎藤さん。

上田さんはこの言葉を聞いて、団体の枠にとらわれ過ぎていたと気付いた。考えすぎて方向性を見失っていたが、「まずは自分が心からやりたいと思うことをしよう」そう考えた。毎月1回は夜行バスを乗り継ぎ広田町に通っていたため、同町は彼女にとって第2のふるさとになっている。

21歳の上田さんからすれば、同町で出会う人たちは親もしくは祖父母にあたる年齢。外で会えば、孫のように、「彼氏はいるのか?結婚はどうする?」と常に気にかけてくれているという。

自分の好きなことを軸に持った上田さんは、かねてから教師になりたかったこともあり、子ども支援に取り組みだす。同町の中学生相手に、キャリアを考えるワークショップを開いた。

陸前高田市のはずれにある立地であることから、「将来は親の仕事を継いで漁師になるしかない」「東京に出るのが怖い」などと10代の若者の等身大の声に、上田さんは疑問を持った。

将来のことを、周りの人や環境で決めてほしくない。自分の意思で、変われるんだと伝えたい。そう上田さんは意気込む。彼女は、来年4月から、大学を1年間休学し、広田町に移住し、キャリア支援の活動に専念する。

・NPO法人SETのホームページはこちら

お知らせ 上田さんは復興支援のため、資金をクラウドファンディングで集めています


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