はたらく

広がる障がい者の笑顔。作業所へのダンスレッスン導入

2012年9月18日 8:21 PM はたらく--エシカルな働き方

札幌市にある「社会福祉法人HOP(ホップ)」(以下ホップ)は、「働くこと」を基本とした障がい者の社会参加の促進や自立生活の確立を支援する団体である。今年の4月から取り組み始めたダンスフィットネスのレッスンで、障がい者の笑顔が広がっている。

楽しみながらダンスを踊る



ホップでは、「作業所」を核として地域生活支援の取り組みを行っている。「作業所」とは就労困難な障がい者の為の活動をサポートする福祉施設だ。ホップの作業所には、重度の障がい者も通所している。そこで、ヘルパー資格を有する軽度の知的障がい者が、重度の障がい者を援助する支援も行われていることも特徴だ。

そのホップでのダンスレッスンの指導にあたるのは、ZUMBA認定インストラクターの牧野尚子さん。重度の先天的身体障害のある息子さんが通うホップでの運動プログラムの一環としてZUMBA(ズンバ)を取り入れたいという要請を受け、今年の4月からボランティアで週に1度のダンスレッスンを始めた。

ZUMBAとは、陽気で楽しいラテンを中心とした世界中のリズム音楽を使用する、脂肪燃焼効果の高いダンスフィットネスである。牧野さん自身が2年程前からZUMBAに夢中になり、体も引き締まってフィットネス効果の程を実感。「ZUMBAの楽しさや運動の重要性を障がい者の方にも伝えたい」と意欲を持ち、昨年は指導資格を取得した。

ホップでのZUMBAのレッスンは困難なことも多い。常にハプニングと隣合わせだ。取材日は、ちょうど福祉を専攻する大学生2人が実習に来ていた。実習生も交えレッスンが始まると、真剣に踊ったり楽しんだりしている参加者の前で、多動性障害の男性が大声でしゃべり始めたり、あちこち歩き回ったり、急に電話線を抜いたり、テレビを付けたり。

実習生が戸惑う中、それを制したり追いかけたりするヘルパー。事前に聞いていた教室の様子が目の前に再現された。しかしその男性も好きな曲では軽やかなステップを踏みジャンプするなど、ダンスが好きな事がすぐに見て取れた。

「障がい者によるハプニングは、ずっと関わってきた自分だからこそ耐えられる。最初は集中出来なかった方でも、徐々に集中力がついてきたり、『もっとやりたい』と言ってもらえたりすることもある。笑顔もどんどん増え、やり甲斐がある」と牧野さんは明るい。牧野さんと参加者全員が、笑顔が溢れる中、陽気な音楽に合わせて体を動かす楽しさを共有している。

牧野さんによると、ホップは、法人代表自身も障がい者であり、各障がい者の個性を尊重し自由度の高い気風があるそう。それとZUMBAの自由に楽しんで良いという特徴がマッチし、それぞれの多様性を受け入れながら一緒に楽しむ場が展開されている。(オルタナS北海道支局特派員=中保ユカ)


HOPホームページ:http://www2.odn.ne.jp/~aas49970/index.htm

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