はたらく

事業拡大の秘けつ ソーシャルビジネス業界のトップに聞く(後編)

2015年7月27日 4:22 PM はたらく--エシカルな働き方

社会的課題をビジネスで解決する「ソーシャルビジネス」が若者から共感を集めるなか、一方で、「スケールアウトしにくい」との声も聞かれる。マーケットありきではなく、貧困や不平等などの社会的な課題ありきで参入するため、従来のビジネスモデルでは苦戦を強いられることが多い。そんななか、ボーダレス・ジャパン(東京・新宿)は、異例の成長を続け、2014年度の売上高は15億円を記録した。ソーシャルビジネス業界をリードする同社の田口一成社長に、立ち上げの経緯から事業拡大の秘けつを聞いた。(聞き手・オルタナ副編集長=吉田 広子、オルタナS副編集長=池田 真隆)

◆この記事の前半はこちらです

ソーシャルビジネスの成功条件を語る田口社長

ソーシャルビジネスの成功条件を語る田口社長

――それが、ボーダレスハウスの始まりなのですね。今はどれくらい拡大しているのでしょうか。

田口:東京には68棟、大阪に2棟。そのほかに、韓国に24棟、台湾10棟があって、全部で100棟以上約800人が常時入居しています。2008年に始めたのですが、最初の頃は、不動産物件の申込書にシェアハウスと書いたら、いつもシニアハウスと勘違いされて、毛嫌いされていました。

だから、「シニアハウスではないです!シェアハウスですよ!」といつも言っていましたね。今でこそみんな知っているシェアハウスですが、当時はシェアハウスという言葉自体もまだ認知されていなかったんです。

ボーダレスハウスのサイトでは、入居者の国籍をオープンにしています。入居者の国籍比率も欧米系は何%以上いないといけない、アジア系は何%、日本人は何%など厳格に決まっていて、一つのハウスで必ずミックスカルチャーのコミュニティをつくるようにしています。

このシェアハウスを運営していく中で、国際平和の礎はこういうとこにあるんじゃないかとみんな実感し始めました。例えば、メディアで嫌韓報道が出ても、昔ルームメイトとして過ごしたパクさんという友人を持っていれば、「いやいや、それは一部の人たちの話でしょ。パクちゃんみたいな人もいっぱいいるし」と、その報道を鵜呑みにしないし、戦争になりそうなことになれば、必ず反対の声をあげるでしょう。

国境を越えてつながるボーダレスハウス

国境を越えてつながるボーダレスハウス

そういうグローバル市民を世界中でつくることが、この事業のテーマになりました。そのビジョンの実現に向けて、3年前には韓国、昨年には台湾に進出し、現在は4番目、5番目の進出国を目指して動いています。

また、今月からはホームステイ事業も始めました。若者だけでなく、シニアも含めた交流ができたら面白いんじゃないかなと思っています。政治を見たら、やっぱりシニア層がこの国を動かしています。そして、偏見を持った年配の方たちもたくさんいます。ホームステイを通して、シニア層を巻き込んだ交流を実現したいですね。もしも、韓国のおじさんと日本のおじさんが一緒に酒を飲むなんてことができたら、すごく素敵なことだと思いませんか。

――これまでに事業をどれくらい立ち上げて、その成功率はどれくらいでしょうか。

気になるキーワードをチェック!

Pages: 1 2 3 4

関連記事