はたらく

世界最大の慈善団体に聞く、国際救援の考え方

2015年11月15日 5:37 PM はたらく--エシカルな働き方

武蔵大学社会学部メディア社会学科3年松本ゼミは6月18日に世界最大級の慈善団体である慈済基金会(以下、慈済)の日本支部への取材を行った。慈済についてより詳しく知るために今回は台湾に訪れ、8月18日から20日にかけて慈済の拠点とする台湾の花蓮を訪れ、取材を行った。慈済は主に「四大志業(慈善、医療、教育、人文)」とそれを含めた「八大法印(国際救援、骨髄バンク、環境保護、地域ボランティア)」の計8つの活動を行っている。筆者はその中の国際救援について取材した。(学生による被災地支援のためのメディアプロジェクト支局=内山 武・武蔵大学社会学部メディア社会学科3年)
*慈済基金会については前回の記事参照

■国際救援の原則

1991年バングラデシュを襲った台風により発生した水害の被災者を支援したことで始まった慈済の国際救援活動には以下の5の原則がある。

1.第三者を介在せず慈済のボランティアが被災地に訪れ、被災者に物資を渡すという「直接」の原則
2.被害の大きい地域を重点的に支援するという「重点」の原則
3.被災者を尊重するという「尊重」の原則
4.援助は確実に行うという「確実」の原則
5.必要な支援を必要なときに行うという「迅速」の原則

これらの原則により、支援物資の横流しを防ぎ、被災者を救うと同時にボランティアも人が救われたという喜びを得ている。

■世界で広く活動する慈済  

2011年3月11日に発生した東日本大震災の際に約60億円もの支援をした慈済だが、その活動は被災地への支援活動だけではない。 例えば、教育支援としてインドネシアをはじめとして全世界で約190校もの学校を創設している。

これは慈済の設立者である證厳法師の「1人の子供を教育すれば1つの家庭が救われる」という考えに基づいた活動であり、四大志業の1つである教育にも繋がることである。また、インドネシアでは学校のみならず病院、住宅、教会なども併設した村をつくっている。 慈済は仏教をベースとした団体であるのにもかかわらず教会を設けるところにも支援を受ける人々のことを良く考えていることが伝わる。

■世界から認められた慈善活動

2015年4月25日にネパールで地震が発生し、甚大な被害がでた際、慈済は台湾の花蓮本部とインドネシア支部で物資救援の実施を決定した。支援物資は一度インドネシア航空輸送され、そこからインドネシアの軍隊によってネパールへ届けられた。

インドネシア軍の協力を得られたのは慈済の長年にわたる災害援助、教育支援、環境保全などの活動によりインドネシア政府に正式に認められ、インドネシア支部とインドネシア国軍が協力して救援の実施をするという覚書が交わされたからである。

また、2012年10月29日アメリカ東部を直撃した台風サンディの際の支援をはじめとして、アメリカ中西部の水害の際の支援など、並びに慈済の「相手を思いやり支援する」精神と「地球を思いやり環境保護をする」という理念が評価され、「National Voluntary Orgaizations Active in Disaster」(全米救難ボランティア組織) において第二十一回「Member of The Year Award」(最優秀ボランティア組織賞)を受賞している。

このように慈済は世界から認められている組織である。しかし、日本では多大な支援をしたのにもかかわらずあまり知られていない。だが、慈済がこのまま活動を続けることでいつか日本でも多数の人が知っている団体となるだろう。

<武蔵大学社会学部メディア社会学科松本ゼミが制作した映像はこちら>

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