はたらく

ネスレやP&Gが重視する「パーパスブランディング」とは

2017年3月15日 11:39 AM はたらく--エシカルな働き方

サステナビリティと経営の統合を考えるサステナブル・ブランド国際会議2017東京で、8日午後、パーパスブランディングをテーマにトークセッションが行われた。パーパスとは、「存在意義」という意味を持つ。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

左から、オルタナ森氏、P&Gのクリント氏、ネスレ日本の嘉納氏、コーアン氏

この言葉には、企業や組織、個人が「何のために存在するのか」を見つめなおし、持続可能な社会を目指して、今後のCSR/CSV活動を強固なものにしていくという意味が込められている。

パーパスはビジョンやミッションを形成するための、根幹に位置する概念。セッションでは、このパーパスを軸にしたブランディングについて話し合った。

登壇したのは、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(以下P&G)のクリント・ナバレス広報渉外本部 執行役員と、ネスレ日本の嘉納未来マーケティング&コミュニケーションズ本部コーポレートアフェアーズ統括部エクスターナルリレーションズ部長、サステナブル・ブランド国際会議の創設者のコーアン・スカジニア氏の3人。ファシリテーターは森摂・オルタナ編集長が務めた。

なぜ企業はパーパスを持つべきなのか。コーアン氏は、今後、70%のブランドが社会から必要とされなくなると前置きし、「長期的な事業をつくるにはパーパスを持たないといけない」と強調した。

コーアン氏がパーパスを持たないと生き残れないと言う理由の一つに、ミレニアル世代の存在がある。ミレニアル世代とは1980年代以降に生まれた若者たちのことを指し、コミュニティーへの帰属意識が高く、消費よりも他人とシェアする傾向が高い。

世界全体で3人に1人がこの層にあたり、今後さらに割合を占めていく彼らの層から支持されなくなることは事業リスクが高い。

パーパスは社会的課題とも密接な関係を持つ。「パーパスを持つことで、企業は単に収益を上げるためでなく、どうしたら社会の中で役割を果たせるのか考えるようになる」(コーアン氏)。

■多様性がパーパスを推進

CSVの元祖であるネスレは、「生活の質を高め、さらに健康な未来づくりに貢献すること」とパーパスを掲げる。

P&Gは世界で最も早くパーパスを定めた企業の一社だ。1987年に、「自社製品に最高のクオリティーと価値を与え、世界中の顧客のニーズを満たすこと」と掲げた。

米国では数年前からパーパスブランディングが注目されてきた。日本で根付かせるために、嘉納氏とクリント氏は、高齢化社会や子どもの貧困など日本が抱える社会的課題を解決することによりパーパスを示していくべきと提案した。

重要なことは、「パートナーとの協働」だ。嘉納氏は、「企業やNPO、政府、学校などのさまざまなステークホルダーと組まないとパーパスは実現できない」と言い切る。

この意見に、クリント氏も同意する。グローバル企業が、規模の異なる中小企業と協働する意義についてこう話した。「私たちのアイデアをローカライズしているのが、地域の中小企業。中小企業が存在しないと、われわれは存在できない」。パーパスを推進するのは、多様性とインクルージョンの文化とし、異なる企業やコミュニティーの文化を包摂し、理解しないといけないと話した。

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